憲法9条Q&A

「山梨9条の会」は、日本国憲法第9条を守るため、「9条の会」の「アピール」に賛同し、これを山梨県内に広めることを目的としています。

私たちはなぜ戦争法(安全保障法制)に反対しているのか

私たち山梨9条の会は、いわゆる「戦争法」、2015年9月19日に強行採決で成立した安全保障法制(国際平和支援法、武力攻撃事態法改正など合計11の法律)に明確に反対の立場をとり、これを廃止するために、「『戦争させない・9条壊すな』山梨行動実行委員会」に結集して活動しています。

その主な理由は次の4点にまとめられます。

  • 安倍内閣は、一本一本がかなり重大な内容をもつ法案を11本ひとまとめで提案して、口では「丁寧に説明する」と言いながら、十分な説明がされないで、国民が内容を理解していないままにしかも、強行採決の連続で形だけ成立させました。

    この審議のなかでは、安倍首相や中谷防衛相ら政府の答弁がくるくる変わり、国民としてはその内容をほとんど理解できないものでした。多くの国民は、いまでも、安保法制の全体像を理解できていないと思います。

    こうした経過は、国の安全保障の基本的あり方に関する法案の審議として、大きな疑問を残したといえます。これは、日本の政治の基本である議会主義を無視し、民主主義を根底から破壊するものです。
    これを許すならば、わが国の政府が戦前戦中と同じ専制政治に走る危険性さえ感じる事態と言わなければなりません。
  • 安保法制を成立させる前提として、私たちが、戦後日本が世界の国々との平和な関係を維持するために一番重要な柱と考えてきた憲法9条の解釈を閣議決定だけで大きく変えたこと(いわゆる「解釈改憲」)は、③で説明する立憲主義という原則をおおきくゆがめるものであること。

    こうした無茶なやり方で、アメリカに求められたら世界中のどこでも出て行って戦争を行うことができるようにしたこと。自衛隊が、武力行使をする軍隊として海外に出て行く道を開いたことは、戦後70年続いた平和国家日本の姿を大きく変化させることになります。

    憲法9条が平和憲法の重要な柱の一つとして定められた一番大切な意味は、戦前戦中の日本がさまざまな口実をつけて朝鮮半島や中国大陸などに軍事的に侵出し、現地の人々に大きな苦痛を与えたことを反省し、国外に軍隊を派遣するような形での「戦力の保持」をしないと国際的に約束したことにあります。この解釈改憲は、この国際的約束を根底から裏切るものです。
  • ほとんどの法律家は、このような重大な憲法解釈の変更は国民の同意を必要とするから、きちんと憲法改正手続をすべきであると考えています。元最高裁判所長官までそのように意見表明しています。

     ところが、安倍政権は、憲法改正が国民多数の反対があって無理なことを予期して、憲法の予定していない解釈改憲という不正な手段を使って、この法案が合憲であるかのように偽装して、安全保障体制を大きく改悪しました。これは現行憲法が重要な原則としている立憲主義を破壊する暴挙であり、絶対に許すことができません。

    立憲主義というのは、国家権力が暴走しないように、政府や国会、裁判所という国家機関であっても憲法には従わなければならないという考え方です。閣議決定でこれまで70年間安定していた憲法解釈を180度変えてしまうことは、まさに、この立憲主義に明らかに反するものです。
  • 安倍政権は、この法制整備を「国の存立を全うし、日本国民を守るための切れ目のない安全保障」のためであると説明しています。
    でも、本音をいえば、より積極的に国際平和維持活動(これには、民衆を巻き添えにする空爆なども含みます)に協力するようにアメリカから求められたのが最大の理由です。

    その証拠に、安倍首相は、この法案を国会に提案する前に、つまり、国民に理解を求める前の2015年4月末にアメリカで、新しい軍事協力体制を整備すると公言しているのです。

    要するに、この法制は、やろうとすれば何でも出来るシステムを作ることが目的であったと考えるしかありません。
  • 以上に挙げた4つの理由から、私たち山梨9条の会は、いつも協力して活動している「やまなし女性9条の会」をはじめ、戦争法廃止という共通の目的で活動しているさまざまな団体、個人と協力して、この廃止を目指す闘いに加わっています。
    この協力のネットワークは、例えば、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などの全国的活動とも連携しています。

    甲府駅南口で行われている「19日行動」(2015年9月19日に法案が強行採決で成立したことを忘れないために、2016年7月まで毎月19日夕刻に信玄公銅像広場に集まって、反対の声を挙げ続ける行動)にも、積極的に参加しています。

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